会社の夏休み中、何十年ぶりに地元の図書館に行きました。
その時に何気なく「推薦図書コーナー」にあった、ある絵本が目に入り・・・。
その絵本の名は『木を植えた男』
小学生の高学年用の夏休み推薦図書として紹介されていました。
パラパラと立ち読みしてたら、ついつい読みいってしまい結局最後まで読破。
そして、なんとその後Amazonでお買い上げ(笑)
この本、スゴイですよ!
困難な状況でも、一途に尊いことを成し遂げる男の不屈の精神が見事に描かれています。
小さなことで、すぐに悩み歩みを止めてしまう私は大きなパンチを受けました。
調べてみると映画化もされているくらいな名作なんですね。
一体、どんな絵本なのでしょうか?
木を植えた男のはじまり

この絵本のはじまりの文章は、この通りです。
人々のことを広く深く思いやる、すぐれた人格者の行いは、長い年月をかけて見定めて、はじめてそれと知られるもの。
名誉も報酬ももとめない、まことに奥ゆかしいその行いは、いつか必ず、見るも確かな証を、地上にしるし、後の世の人々にあまねく恵みをほどこすもの。
小学生にとっては、やや難しそう?と思うのは私だけでしょうか?(笑)
偉人というのは、生きている間は認められませんが、亡くなってから評価の上がる人が多いですよね。
ゴッホとかゴーギャンとか。
この「木を植えた男」もその一人。
彼がいなくなってはじめて、彼が残した恵みを人々が実感するという話です。
この内容が1ページ目に書かれており、物語がスタートします。
荒廃した地域にひたすら「木を植えた男」

「木を植えた男」のストーリーを簡単に説明します。
木を植えた男の志とは?
主人公は10代半ばの若者。
フランスのプロバンス地方の山深いエリアを旅していたのですが、この地域は見るも無残な廃墟なのです。
草木も生えない荒涼としたこの地域で、ある羊飼いの男と出会います。
その男は55歳の老人。すでに3年もこの土地に種を植え続けているそうです。
なぜ、そんなことをするのか?が気になりますよね!
のんびり過ごすより、何かのためになる仕事がしたい。
木のない土地は、死んだも同然。
せめて、よき伴侶を持たせなければと思い立ったのが、不毛の地に生命の種を植えつけること。
のんびりとした老後を過ごしたいという人が多い中、この志は素晴らしいですね。
しかも、すでに3年も続けているとは!
数年後、再び若者が尋ねると・・・
翌年、世界一次大戦がはじまりフランスは戦場となります。
主人公の若者は戦場に行き、無事に生き残りました。
そして、再び老人のもとへ行くと・・・老人はまだ生きていたのです。
さらに種から植えた木は、背丈を越した大きな木に生長していました。
戦争という、途方もない破壊をもたらす人間が、他の場所ではこんなにも、神の御業にも等しい偉業を成し遂げることができるとは。
木をたくさん植えたおかげで、干上がっていた水も小川が流れるまでになりました。
しかし、人々の目には・・・
大地と自然の、ほんの気まぐれのせいだと考えて、感動する者はいなかった。
一人の男が作り上げた見事な作品だとは、とても想像できぬことだったので。
良い行い、努力している姿。
こういうものは、あまり他人の目には映らないものです。
不屈の精神
物語はまだ続くのですが、この本で私の心を打った文章を紹介します。
ときに、むなしさを感じたこともあったことを私は知らなかった。
どんな大成功の陰にも、逆境に打ち勝つ苦労があり、どんなに激しい情熱を傾けようと、
勝利を確実にするためには、ときに、絶望と戦わなくてはならぬことを。
成功を収めた人にしか分からない苦しみは必ずあるといいます。
ソフトバンクの孫正義さんも、「1日19時間の勉強をした。誰よりも勉強した自信がある」とはっきり言っていますし。
私は、まだ成功もしてないし、激しい情熱を持って何かに力を注ぐこともしていません。
と情けなくなりましたね、はい。。。
この類まれな不屈の精神を思う時、それがまったくの孤独の中で鍛えられたのだということを、決して忘れてはならない。
晩年にかけて、ほとんど言葉を失うほど孤独の中で。
数々の成功者の本を読み漁っていますが、たいてい成功者というのは孤独に黙々とやってますよね。
グループでワイワイとか、そういう成功例は聞いたことないです。
人間はやはり自分の軸を持ち、その軸を徹底的に鍛えることで何にでも打ち勝てる精神を作っているのですね!
自分自身、群れるのは好きではない(←ただの人見知り)ため、孤独にいつもいますが・・・あれ?おかしいぞ?
魂の偉大さの陰に潜む、不屈の精神。
心の寛大さの陰に潜む、たゆまない熱情。
それらがあって、はじめて、すばらしい結果がもたらされる。
結局は、これがない事には、結果は生まれないってことですよね。
不屈の精神+熱情(情熱)
上手くいかなかったら改善をして再度挑戦する。
これも「不屈の精神+熱情(情熱)」での行動ですね。
う~ん、心にグサグサくる・・・。
と、このように物語は続き、やがてこの荒廃した村には緑があふれ人々が住み、活気と幸せあふれる村に変わっていくのです。
それが今のラベンダーで有名なプロバンス地方の様子です。
この絵本のストーリーの最後、老人は静かに生涯を閉じます。
非常に励まされる絵本でした!!!!
動ける体がある以上、何かに情熱を向けることは可能なんですよね。
なぜ、それをしてこなかったんだ!?と反省しきりの私。
それ以来、自分がこの世で何をすべきなのか、何がしたいのかをずーっとずーっと考えています。
「やりたいこと160」を挙げてもなお、未だに考えています。
出てません!!!(←自慢して言うな)
とはいえ、こんなに中年の私を悩ます「木を植えた男」という絵本、すごくないですか??
まだ読んだことのない方は、ぜひ手に取ってみて下さい。